国語講師の落書

つれづれなるままにiPhoneに向かひて。

ピンサロについて。

休日は暇だ。

 

余暇を楽しむというが、前提として暇だから楽しめるのだ。遊びに行くにしても、寝て過ごすにしても、暇だからだ。

 

やらねばならぬことがある日を休日とは言わない。

 

これを書いた時ふと思い出した。高校のテスト期間に女子が「私まだノー勉ー、やばーい」と言っていたのに対し、「ノー勉」とはテスト期間にも関わらずまだ勉強をしてないこと、ではなく、それに加えて授業も聞かずノートもとらない、教科書も開いたことがない状態だと言った覚えがある。まるで「王手」と叫ぶように。今思えば、我ながら清々しいマウンティング。

 

こうして普段授業をちゃんと聞いてる真面目な人間を嘲笑うことで勝手にイニシアチブを取っていた青春の一ページ。

 

…閉じよう。

 

孤独な日曜日を夕方まで無駄遣いしたのち、自転車で吉祥寺に繰り出した。あてはない。

 

ふらふら漕いで、なんとなくすうさい堂に辿り着いた。「牛乳の作法」を200円で購入。これを肴に井の頭公園で一服しようと、また自転車を漕ぎ出す。

 

その折、ピンサロみるくしぇいくの前を通った。

 

ちょうど通りかかった時、一人の客が店に入っていった。

 

初老。冴えない独身、髪はあるが服は汚め、小柄のどこにでもいそうな初老。

 

衝撃的だった。いや、もちろんかく初老だってピンサロ顧客層の住人であることは以前から想像がついていたが、想像上の生き物がリアリティのある世界で眼前に現れたのだ。それはショッキングだった。

 

ピンサロって仕事は大変だな、小並感。

 

私は風俗に行ったことがない。なので実際、内部でなにが繰り広げられてるかは知らない。しかし同僚曰く、行為の前には一定のコミュニケーションを取る必要がある。一体、あの初老は嬢となにを語らうのだろうか。

 

想像を膨らませることは容易いが事実を突き止める術は無い。

 

事実を突き止めたとしても、ファブリーズの成分くらい興味がない。

 

…、これは滑った、あるいは読者を怒らせただろうか。

 

さて、

 

「君はオフの嬢に会ったことがあるか」

 

店の外で、彼女たちの日常の登場人物として参加したことはあるだろうか。

 

私はある。

 

普通に友人として接していて、後から夜の仕事をしていると知った瞬間、何故だか彼女がとてもエロく思えた。

 

この感覚、「あのキャバ嬢、実は女子大生」と「あの女子大生、実はキャバ嬢」では感じ方が違う現象によく似ていると思う。

 

消え入るタバコの火を見つめながらそんなことを考えてたら、すっかり夕日は落ちていた。